野沢温泉村にて進めてまいりました「旧白樺改修プロジェクト」が、令和7年12月、無事に竣工いたしました。
築約100年の歴史を刻んできた旧旅館が、全10室のブティックホテル「mont(モン)」として、新たな歴史を歩み始めます。
プロジェクトのコンセプト
本プロジェクトでは、野沢温泉が誇る「火祭り」の伝統や「温泉文化」といった地域固有のアイデンティティを大切にしながら、空間・食・酒に現代的な感性を融合させることを目指しました。

併設されるレストランでは、野沢温泉村や長野県産の豊かな食材を活かした「薪火料理」が提供される予定です。薪火の温もりと、築100年の建物が醸し出す情緒が調和する、唯一無二の空間が完成しました。

所在地 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9520-1
施工期間 令和6年1月9日 〜 令和7年12月14日
施工のこだわりと挑戦
1. 100年の歪みと向き合う精密な施工
築100年という歳月は、建物に深い味わいを与える一方で、構造的な「狂い」も生んでいました。垂直・水平が保たれていない箇所が多数あり、現代のホテルに求められる高い意匠性と安全性を両立させるため、一箇所ずつ手作業で微調整を繰り返す、緻密な作業の連続でした。

2. 温泉街の歴史を守る現場管理
現場は温泉街の中心部に位置するため、工事中の車両手配や職人の段取りには細心の注意を払いました。観光地としての賑わいを妨げることなく、スムーズに工事を進めるための徹底した工程管理を行い、周辺環境との調和を第一に施工いたしました。
現場担当者より
正直なところ、最初から最後まで苦労の連続でしたが、伝統と現代が融合した「mont」の空間を目の当たりにし、大きな達成感を感じています。

野沢温泉の文化を継承しつつ、薪火料理の香りが漂うこの新しい場所が、村の新たなシンボルとして多くのゲストに愛されることを心より願っております。